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【便秘を改善するドリンクメニュー】漢方薬にヒントを得たホットジュースの作り方

【便秘を改善するドリンクメニュー】漢方薬にヒントを得たホットジュースの作り方

腸を温めて元気に動かすための基盤はなんといっても食生活です。それでも、どうしても食事をとる時間がないとか、きちんとした食事はとれないというのであれば、せめてこちらで紹介するドリンク類だけでも飲んでみてください。【解説】松生恒夫(松生クリニック院長)

解説者のプロフィール

松生恒夫(まついけ・つねお)
1955年、東京都生まれ。松生クリニック院長。東京慈恵会医科大学卒業。同大学第三病院内科助手、松島病院大腸肛門病センター診療部長などを経て、2004年1月より現職。日本内科学会認定医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本消化器病学会認定専門医。大腸内視鏡検査や炎症性腸疾患の診断と治療、消化器疾患の食事療法などを得意とし、なるべく薬に頼らない便秘解消法としての食生活の指導などを行う。『「排便力」をつけて便秘を治す本』(マキノ出版)など著書多数。

腸を温めるドリンクメニュー❶【甘酒】

便通が改善してバナナ便になると実証

私は、腸の健康法の一種として、発酵食品をよく勧めています。

そのなかでも、最近、特に注目しているのが「甘酒」です。甘酒は古くから日本に伝わる発酵食品で、善玉の腸内細菌のエサになる食物繊維オリゴ糖を豊富に含んでいるからです。

しかも、甘酒を温めて飲めば、内側から腸を温めるのにも役立ち、二重の意味で腸冷え対策になります。

私は腸に対する甘酒の効果を調べるため、市販の缶入りの甘酒を使って検討を行いました。19人の被験者に、1日1本(190ml)の甘酒を30日間飲んでもらい、便通などの変化を調べたのです(下のグラフ参照)。缶入りの甘酒を用いたのは、成分が安定していて実験に適しているからです。


その結果、19人中18人に、「便通の改善(楽に排便できる)」「排便回数の増加」「下剤(酸化マグネシウム)の錠数がへらせた」などの効果が見られました。

また、便の形状についても調べたところ、実験の開始時には、31.8%だった「泥・水状」という回答が、実験後は6.5%にへり、「バナナ状」という答えが59.1%から83.9%へと大幅にふえました。また、排便臭も「強い」という人がへって、「気にならない」という人がふえていました。

これらの結果から、甘酒が確かに、腸の働きを促進することがわかります。過去の研究によると、試験管内での実験ではありますが、甘酒がビフィズス菌をふやすということも報告されています。

あわせて、以下のようにして、甘酒の保温効果も検証しました。

200mlのビーカーに、①甘酒、②15%濃度のデンプン水溶液、③15%濃度の砂糖水、④純水(不純物を含まない水)を、それぞれ190ml入れ、かきまぜながらヒーターで45〜46度になるまで温めました(②③の濃度は①と同等)。その後の温度低下の様子を観察・記録しました。

すると、1度下がるまでに最も長い時間を要したのは①の甘酒でした。甘酒の温度保持効果はその後も続き、①、②、③の順に温度が高く保たれました。

この結果から、甘酒が腸に対する温め作用を発揮して、症状の改善効果に影響したと推測できます。

みそなどの発酵食品の摂取がへっている日本人にとって、甘酒は手軽においしく飲めて、腸を元気にする切り札になりうるでしょう。


甘酒には、麹でつくるタイプと、酒粕でつくるタイプがありますが、腸冷え対策には両者とも役立ちます。

後者は少量のアルコールが含まれるので、未成年者はもちろん、お酒に弱い人や日中などは、飲用に注意が必要です。麹タイプなら、そうした心配なしに飲むことができます。

「味に変化をつけたい」「甘酒の健康効果を高めたい」というときは、甘酒に好みの量の純ココアパウダーを加えて、「甘酒ココア」にするのもよい方法です。次項で述べるとおり、ココアも腸によい食品です。甘酒の甘みと、ココアのほろ苦さは相性がよく、また違った味わいが楽しめます。

ただし、甘酒には糖分(ブドウ糖)が含まれます。糖尿病の人が飲みすぎたり、空腹時に飲んだりすると、血糖値を上げる危険があるので要注意です。糖尿病の人は、甘酒をとる分、間食などのほかの糖質をへらしたうえで、比較的血糖値が上がりにくい食後に飲むとよいでしょう。

腸を温めるドリンクメニュー❷【ココア】

下剤の使用量が明らかにへった!

ホットココアというと、寒い冬に体を芯から温めてくれるイメージが強い飲み物です。そのココアは、実は腸にもたいへんよい食品です。ココアには、便通をよくする食物繊維がたっぷり含まれているからです。

それだけではなく、ココアは、血流を改善し、体を温める効果にもすぐれています。ですから、腸を温めてその働きを促すのにぴったりです。

私は、森永製菓株式会社の協力のもと、マグネシウム製剤を服用中の慢性便秘症の患者で、20〜60歳の女性に、カカオ70%のココアを4週間摂取してもらい、便通と、下剤(マグネシウム製剤)の服用量がどう変わるかを調べました。

すると、カカオ70%のココアの摂取後は、便通がよくなり、マグネシウム製剤の服用量が3.3gから2.6gまで、有意に(統計的に差が認められるレベルで)減少したのです。

ココアを普通に飲むだけでも、このように腸を温めるのに役立ちますが、さらに効果的な方法として、私がお勧めしているのが「オリーブ・ココア」です。

オリーブ・ココアとは、ココアをお湯に溶いたあと、EXVオリーブオイルとオリゴ糖を加えたもので、腸冷えと停滞腸に効果的なドリンクです。

私は、その有効性を確かめるため、オリーブ・ココアと普通のココアをそれぞれ300ml飲んだ場合の、飲用後の体温の変化を比較しました。すると、多くの被験者で、オリーブ・ココアのほうが、体温の高い状態が長く保持されるという結果が出ました。

※『腸に悪い14の習慣』(松生恒夫著 PHP研究所)より

普通のホットココアにも腸を温める作用はありますが、EXVオリーブオイルとオリゴ糖を加えることで、その効果をさらに高められるのです。手軽にプラスして効果を高めましょう。

腸を温めるドリンクメニュー❸【毒出しホットジュース】

漢方をヒントに生まれたヘルシードリンク

「毒出しホットジュース」とは、漢方処方をヒントに、私が考案したヘルシードリンクです。停滞腸を改善し、老廃物や有害物の排泄を促すデトックス効果にすぐれていることから、「毒出しジュース」と名づけました。アイスでもホットでもおいしく飲めますが、特に冬はホットジュースにすることで、腸の温め効果が高まります。

これを考案したきっかけは、肥満や便秘に効果があるとされる漢方処方、「防風通聖散」に着目したことでした。防風通聖散は、18の生薬を合わせた漢方薬ですが、そのなかに重要なものとして「薄荷(はっか)」が含まれています。

薄荷とはペパーミントの和名です。爽やかな風味で知られるペパーミントには、実は健胃・解毒作用のほか、腸を動かし、ガスを排出させる作用があります。

このペパーミントに、同じく防風通聖散に含まれる保温効果の高いショウガ(生薬としては生姜といいます)を組み合わせ、それらと味の相性のよいレモン汁、腸の動きを促すオリゴ糖を加えたのが毒出しホットジュースです。

その作り方は簡単です。ペパーミントティーのティーバッグ(茶葉を使う場合は小さじ1)にお湯を注いで普通にペパーミントティーを作ったあと、カップ1杯に対して、大さじ1程度のレモン汁とチューブ入りのおろしショウガ1cm程度、好みの量のオリゴ糖を加え、まぜれば出来上がりです。

飲むのは、食後や食間、のどが渇いたとき、ひと息つきたいときなど、いつでもけっこうです。腸の働きが高まるとともに、むくみ取り肥満の予防・改善などにも役立つので、お試しください。

腸を温めるドリンクメニュー❹【シナモン・ジンジャー・ティー】

冷え取り漢方薬の効果を再現

シナモンの腸への効果は前の記事で述べましたが、それに保温効果の高いショウガ(ジンジャー)を組み合わせたのが「シナモン・ジンジャー・ティー」です。

ここまでにもふれたとおり、シナモンは桂皮(けいひ)、ショウガは生姜(しょうきょう)という名前で漢方に使われる生薬でもあります。

そして、その両方が使われている漢方薬として、「桂枝加芍薬湯」という処方があります。この処方は、体が冷えやすい人や胃腸が弱い人に用いられ、強いおなかの張りや痛みなどに効果的なことが知られています。過敏性腸症候群の下痢型を治療する際にも用いられることがあります。

シナモン・ジンジャー・ティーは、この処方をヒントに、漢方薬に近い効果を手軽に家庭で得られるようにと、私が考案したドリンクです。


私は、シナモン・ジンジャー・ティーの温め効果を検証するために、次のような実験を行いました。

シナモン・ジンジャー・ティーと、同程度の温度のお湯を、健康な4人の被験者に飲んでもらい、それぞれの場合について飲用後の体温の変化を調べたのです。

すると、どちらを飲んだ場合も、飲用後はすぐに、体温の上昇が認められました。しかし、時間の経過とともに、体温に差が出てきました。

ある女性は、お湯を飲んだあとに体温が上昇したものの、1時間後には36.3度に戻ってしまいました。しかし、シナモン・ジンジャー・ティーを飲んだ場合には、1時間後でも36.6度という高い体温を保つことができたのです。ほかの被験者にも、ほぼ同じような現象が見られました。

つまり、シナモン・ジンジャー・ティーには、上昇した高い体温を長く維持する効果があることがわかったのです。その分、腸の温め効果も期待できます。

シナモン・ジンジャー・ティーは、とても手軽に作れます。シナモンパウダー小さじ2分の1、チューブ入りおろしショウガ5mm程度、オリゴ糖小さじ1杯を大きめのカップに入れ、250mlのお湯を注いで、よくまぜれば出来上がりです。

素早くできるので、寒い季節に急いで体を温めたいときにも便利なドリンクです。

おすすめの本

なお、本稿は『腸の冷えを取ると病気は勝手に治る』(マキノ出版)から一部を抜粋・加筆して掲載しています。詳細は下記のリンクよりご覧ください。

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