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【耳管開放症の原因は?】女性ホルモンやストレスが影響 過度なダイエットや睡眠不足も

【耳管開放症の原因は?】女性ホルモンやストレスが影響 過度なダイエットや睡眠不足も

耳管開放症を引き起こす要因はいろいろなものがあると考えられます。ダイエット、過労、睡眠不足、中耳炎、妊娠、ピルの服用、薬の副作用……。そのなかで2つのポイントがあります。①女性ホルモンの影響、②広い意味でのストレス、です。【解説】萩野仁志(はぎの耳鼻咽喉科院長)

解説者のプロフィール

萩野仁志(はぎの・ひとし)
自らの耳管開放症を治した経験から、西洋医学と東洋医学を融合させた独自の治療体系を確立し、成果を上げる。耳管開放症の名医としてインターネットで話題となる。東海大学医学部卒業。はぎの耳鼻咽喉科院長。東海大学医学部専門診療学系漢方医学教室非常勤講師。クラシック&ジャズ・ピアニストとしても活動。共著書に『「医師」と「声楽家」が導く 人生最高の声を手にいれる6つのステップ』(音楽之友社)などがある。

耳管開放症が起こりやすくなる要因とは

生活習慣の改善や、実際の治療についてお話しする前に、耳管の機能低下がどのような要因で引き起こされているかについて考えてみましょう。

この疾患を引き起こす要因は、実に、いろいろなものがあると考えられます。思いつくまま挙げるなら、ダイエット、過労、睡眠不足、運動、中耳炎、手術、妊娠、ピルの服用、薬の副作用、透析……。こういった要因のなかで、2つの大きなポイントがあります。

女性ホルモンの影響
広い意味でのストレス



第1のポイントとして、妊娠中や、ピル服用時(人工的な妊娠状態)に、耳管開放症が起こりやすいことがわかっています。

女性がこの病気を発症する背景に、女性ホルモンの影響があることは間違いありません。ただし、女性ホルモンがどのように病気の発症にかかわっているかについては、わかっていません。しかし実際に、ピルの服用をやめることで、耳管開放症がよくなるケースはあります。

ですから、耳管開放症に悩んでいる人が、もしピルを飲んでいる場合、ピルが自分の症状とかかわりがないかどうか検討してみる必要があります。


第2のポイントとして、最も有力な発症の要因と考えられるのが、ストレスです。

過労や睡眠不足、運動など、肉体的なストレスから、人間関係のトラブルや仕事のプレッシャーなどの精神的なストレスまで、幅広くストレス全般を含むと考えてもらってかまいません。

患者さんの1人は、子供のころ、運動会で長距離走を走ったことがきっかけで耳の調子がおかしくなり、それから耳管開放症に悩まされるようになったといいます。このように、運動や仕事や家事、育児などで、疲労がたまったり、無理を重ねたりしたことが、症状を引き起こすきっかけとなっているケースが非常に多いのです。

従来、「ダイエットなどでやせすぎると、耳管がやせ細り、その結果、耳管開放症になる」といわれてきました。しかし私は、やせたことは、単なる結果なのかもしれないと考えています。

やせてしまうほどの心労(精神的、および、肉体的ストレス)があったかどうかが問題なのです。

例えば、手術は、それが大きなものになればなるほど、心身ともにダメージを与えます。このため、術後に耳管開放症になる人が出てきます。また、無理なダイエットは、それ自体が心身ともに、わざわざ体にダメージを与える行動だともいえます。

愛犬が死んだショックから立ち直れずに、耳管開放症になってしまった人もいました。精神的なショックや心的消耗も、病気の引き金になるのです。

女性の場合、耳管開放症の発症に、女性ホルモンが関係している
やせてしまうほどの心労(ストレス)が病気の引き金になる

耳管開放症と生活習慣

これまで、「耳管開放症は、激やせするとなる」といわれてきました。しかし、耳管開放症を引き起こす誘因は、激やせだけではありません。これまでお話ししてきたとおり、むしろ、激やせしてしまうほどのストレスが問題なのです。

また、ほかの疾患の治療のために用いている薬剤が影響していることもあります。ステロイド(副腎皮質ホルモン)薬やピルが耳管開放症の発症に深いかかわりを持っていると、私は考えています。

耳管開放症の人は、自分のふだんの生活を振り返ってみてください。

仕事や家事、育児で無理をしていませんか。何か大きな心配事を抱えていませんか。あるいは、以前から特定の薬剤に頼り切りになっていないでしょうか。

働きすぎていたり、睡眠不足だったりと、ふだんの生活のなかにも、症状を悪化させるような要因がいくつもあります。耳管開放症の症状は体調と連動しています。ですから、日ごろから体調を整えておくことがとても大切です。

もちろん、いろいろな事情がありますから、すぐには直せないこともあるでしょう。そんななか、日々の生活で心がければできることがあるなら、少しずつでも始めてみましょう。

続きの記事では、症状の改善に役立つセルフケアと、日常生活のうえで注意したいポイントを7つ挙げていきます。

①鼻うがい
②爪もみ
③よく眠る
④なるべく鼻はすすらない
⑤激しい運動は控える。天候と折り合いをつける
⑥ステロイド薬に安易に頼らない
⑦ピルの服用は慎重にする

①と②は、自宅でできるセルフケアです。③~⑦は、日常生活で心がけたい注意点となります。

耳管開放症の人は、自分の生活を振り返ってみよう
耳管開放症の症状は体調と連動するので、日々の生活でできることから始めよう

おすすめの本

なお、本稿は『謎の耳づまり病を自分で治す本』(マキノ出版)から一部を抜粋・加筆して掲載しています。詳細は下記のリンクよりご覧ください。

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