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【鼻詰まりの治し方】解消に有効な対策「鼻うがい」のやり方 上を向くのはNG!

【鼻詰まりの治し方】解消に有効な対策「鼻うがい」のやり方 上を向くのはNG!

鼻づまりなどの鼻の症状を引き起こしている原因疾患を突き止め、それに対する適切な治療を行う必要があるのは、いうまでもありません。しかし、それに劣らず大切なのが、患者さんご自身が行うセルフケア(食事療法を含む)です。【解説】北西剛(きたにし耳鼻咽喉科院長)

解説者のプロフィール

北西剛(きたにし・つよし)
きたにし耳鼻咽喉科院長。医学博士。1966年、大阪府守口市に生まれる。滋賀医科大学卒業後、病院勤務を経たのち、故郷の守口市で2005年にきたにし耳鼻咽喉科を開院。日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本気管食道科学会専門医。日本アーユルヴェーダ学会理事長。日本胎盤臨床医学会認定医・理事。日本統合医療学会認定医。日本ホメオパシー学会認定医。そのほか、森林セラピスト、野菜ソムリエ、阪神タイガースネット検定合格など、多彩な活動をしている。主な著書に『耳鼻咽喉科医だからわかる意外な病気、治せる病気』(現代書林)、『難聴・耳鳴り・めまい「治る」には理由(わけ)がある』(ルネッサンス・アイ)、『「うるうる粘膜」で寿命が延びる』(幻冬舎MC)などがある。
▼きたにし耳鼻咽喉科ホームページ

治りにくい鼻づまりこそセルフケアが重要

私は、特に次のようなタイプのかたたちには、セルフケアを積極的に行うように推奨しています。

セルフケアが勧められる4つのタイプ
経過が長い人
「治っては、また悪くなり」 をくり返している人
薬が効きにくい人
これまで、何軒もの病院に行ってもよくなっていない人

これらのケースでも、鼻づまりなどの鼻の症状を引き起こしている原因疾患を突き止め、それに対する適切な治療を行う必要があるのは、いうまでもありません。しかし、それに劣らず大切なのが、患者さんご自身が行うセルフケア(食事療法を含む)です。

鼻の疾患では、原因が正しく突き止められた場合でも、なかなか治らないケースがしばしばあります。若いころから、ずっと同じ症状に悩まされてきたかたや、よくなったり悪くなったりのサイクルをくり返してきたかた。長い病歴のなかで、病院をいくつも替えたかたもいるでしょう。

そうした難治性疾患や、グズグズぶり返す鼻の症状を改善するためにこそ、セルフケアをしっかり行うことが重要です。

私は、来院する患者さんにもそのようなお話をして、いくつかのセルフケアを積極的に紹介し勧めています。熱心にセルフケアを実践したかたのなかには、非常によい結果が出ているかたが多いのです。

また、軽い鼻づまりの症状や、軽度の鼻の疾患に対しては、これから紹介する各種のセルフケアが、大きな効果を発揮するはずです。セルフケアだけでよくなるケースも、多数あるでしょう。

セルフケアは、大きく3つに分けて紹介します。ここでは、食事療法も、広い意味でのセルフケアとしています。

患部に働きかけるセルフケア
体質を変えていく食事の工夫
日常生活での注意

続いて、それぞれについてお話ししてみましょう。

まずは、患部に働きかけるセルフケア。鼻うがい・オイル点鼻が基本になりますが、ほかのセルフケアも、患者さんご自身の状況に合わせて、うまく使い分けてください。

① 鼻うがい

基本中の基本のセルフケア・あらゆる鼻の症状に

▶︎効果をもたらす疾患・症状 ➡ 慢性・急性の副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎(花粉症)、好酸球性副鼻腔炎、慢性上咽頭炎など、大多数の鼻の疾患。

鼻うがいは、オールマイティのセルフケアです。鼻づまり、鼻水や、頭痛をはじめとする顔部のさまざまな痛み、嗅覚障害、後鼻漏、のどの違和感、カゼ対策、長引くセキなど、多くの症状に悩むかたに、お勧めしています。毎日行うことで、カゼや花粉症などの予防にも役立ちます。


▶︎どんな効果をもたらすか

副鼻腔炎などによって、鼻腔内に炎症が起こっている場合、その症状を改善させるためには、鼻腔内にたまった細菌・ウイルス・花粉・膿などを除去する必要があります。鼻をかんだり、ただ、うがいしたりするだけでは、これらの異物や膿の除去は、じゅうぶんにできないのです。

鼻うがいは、うがいなどでは直接働きかけることができない鼻腔内を、生理食塩水によって洗浄します。つまり、鼻腔内に直接働きかけることができる点が、鼻うがいの大きな利点です。

鼻腔から上咽頭にかけて付着した花粉やほこりを洗い流すことで、カゼやアレルギーの原因物質を取り除くことができます。鼻をかんでも出にくい、粘り気のある鼻水の排出にも役立つでしょう。

ただ、鼻うがいをしても、鼻腔とは細い通路でつながっているのみの副鼻腔の中までは洗うことはできません。

しかし、鼻腔にたまりがちな粘り気のある鼻汁を洗い流し、副鼻腔への通路やその周辺の環境をよくすることは、副鼻腔への換気をよくして、副鼻腔の症状の予防・改善に有効と考えられます。

ちなみに、生理食塩水とは、血液や組織液と浸透圧が等しい約0.9%の食塩水です。これを作って鼻を洗うので、ツンと水が染みることがありません。

手軽にできて、効果もとても高いので、多くの鼻の症状に勧められる基本中の基本のセルフケアです。やり方は、下記を参照してください。


▶︎補足として

なお、鼻うがいは上を向いて行うのはやめましょう。また、無理に吸い込んで奥まで入れるのも避けましょう。耳に水が入り、中耳炎などを引き起こすリスクがあります。

また、副鼻腔炎などの症状が重症のかたの場合、重曹を使って鼻うがいをしてみましょう。重曹が、鼻水や膿の粘度を下げ、排出を促す力を高めてくれます。

スーパーなどで市販されている、食用の重曹が使用できます。

分量は、ぬるま湯500mlに、重曹2.5g、塩5gです。それで、下記の手順をくり返してください。重曹は、手順②で塩といっしょに溶かします。

鼻うがいのやり方

用意するもの
◦小さめのプラスチックボトル
◦塩…小さじ1/2(3g)
◦ぬるま湯…330ml

鼻に当てて、うがい液を入れるもの。薬局などで、鼻洗浄用のボトルも購入可能。

やり方
❶水を一度沸騰させてから、30~35℃まで冷ます。
❷ボトルにぬるま湯と塩を入れ、振って塩を溶かす。
❸洗面台に顔を突き出し、あごを引いて、ボトルを鼻の穴に当てる。
❹「あー」と声を出しながら、ボトルを押して水を出し、鼻腔内を洗う。
❺反対側も同様に行い、ティッシュペーパーで鼻をおさえて、鼻腔内の空気を抜く。

▶︎体験例

Kさん(50代・女性)は、慢性副鼻腔炎に悩まされ、来院。多量の鼻水や、鼻づまり、のどの奥の違和感などの症状がありました。鼻うがいを勧めたところ、快適だとご本人が気に入って、毎日実践したそうです。

鼻うがいを続けることによって、Kさんの悩みは着実に改善されていきました。鼻うがいのセルフケアを行うだけで、副鼻腔炎のすべての症状を改善させることができたのです。

② オイル点鼻

特に鼻の中が乾燥しやすい人に

▶︎効果をもたらす疾患・症状 ➡ 慢性・急性の副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎(花粉症)、好酸球性副鼻腔炎、慢性上咽頭炎など、多くの鼻の症状。

鼻うがいと同様に、オールマイティといえるセルフケアです。加齢によって、鼻腔内が乾きがちになっているかた、特に鼻の乾燥が起こる加齢性鼻炎にお勧めです。

鼻づまり、鼻水、頭痛、後鼻漏、のどの違和感、カゼ対策、長引くセキ、口腔内やのどの乾燥などにも勧められます。


▶︎どんな効果をもたらすか

鼻の中が乾燥すると、そのバリア機能が低下し、細菌やウイルスが繁殖しやすくなります。その点、オイル点鼻は、乾燥を改善し、バリア機能を高めます

手順としては、鼻うがいで鼻腔内を洗浄した後、オイル点鼻を行うことが理想的です。鼻がよく通るようになり、鼻腔内の保湿に役立ちます。


▶︎補足として

鼻の穴に油を垂らし、鼻の通りをよくする方法は、インドの伝統医学アーユルヴェーダでは、「ナスヤ」と呼ばれ、古来、健康維持のために行われてきました。

私自身も、オイル点鼻を実践するようになって以来、カゼをひかなくなりました。ここでは、オイルをつけた綿棒を鼻の穴に入れ、オイルを鼻の粘膜に塗りつける簡便な方法を紹介します。

オイル点鼻のやり方

用意するもの
◦セサミオイル(太白ゴマ油)、もしくは、馬油、アマニ油
◦綿棒

やり方
❶綿棒にゴマ油をつける

❷鼻の穴に綿棒を入れて、ゴマ油を鼻の粘膜に塗る

▶︎体験例

Bさん(80代・男性)は、副鼻腔炎があり、鼻づまり、鼻の乾燥などに悩んで来院。他院でステロイド点鼻の治療を受けていましたが、改善していませんでした。

高齢で、すでに多数の薬を飲んでいたため、基本的には薬を使わず、通院での処置とオイル点鼻だけで対応しました。積極的にオイル点鼻を続けたところ、鼻のすべての不快症状が投薬なしで改善しました。

③ ほお骨押し

蝶形骨のズレを調整し、鼻のムズムズに著効

▶︎効果をもたらす疾患・症状 ➡ 主に、慢性・急性の副鼻腔炎など。

鼻づまり、鼻水、後鼻漏などに有効です。特に、鼻づまりからくる鼻がムズムズする症状にお勧めします。


▶︎どんな効果をもたらすか

鼻づまりの特効ツボである 「鼻通(びつう)」と 「迎香(げいこう)」という2つのツボを押すことで、鼻づまりの解消効果が期待できます。

人間の顔は、頭部8個、顔14個、耳6個の計28個の骨の組み合わせで構成されています。しかも、構造が複雑であるだけに、ゆがみが生じやすいのです。ことに、脳と鼻の境い目にある「蝶形骨(ちょうけいこつ)」がズレると、さまざまな弊害が起こってきます。

蝶形骨のズレによる弊害
鼻腔と副鼻腔をつなぐ自然口が狭くなる
鼻腔や副鼻腔の血流が滞る。
鼻腔や副鼻腔のリンパ液の循環が低下。鼻の新陳代謝も低下。

これらがきっかけとなって、鼻づまりが引き起こされたり、副鼻腔炎へとつながったりするのです。その「蝶形骨のズレ」を矯正するのに役立つのが、このほお骨押しです。ほお骨押しは、鼻づまりの特効ツボへの刺激と同時に行えば、両者の相乗効果でより効果的です。やり方は、下記をご参照ください。


▶︎補足として

ほお骨押しは、特に夜寝る前に、楽な姿勢で行うとよいでしょう。鼻づまりのまま寝ると、就寝中に口呼吸になってしまいます。ほお骨押しで、鼻づまりを少しでも解消して床に就けば、入眠しやくなり、安眠も得られやすいでしょう。

ほお骨押しのやり方

やり方
❶鼻づまりのある側の小鼻の上端のくぼんだところの少し外側に「鼻通」のツボがある。このツボに、つまっているほうの鼻の側の手の人差し指を当てる。
❷ほお骨を強い力で内側に向かって、2秒間押し上げる。
❸ほお骨を外側に向かって、2秒間押し広げる。
❹続いて❷~❸を3回くり返す。
同様に「迎香」のツボにも同じ刺激を与える。

▶︎体験例

Hさん(50代・男性)は、以前から、副鼻腔炎に悩んでいました。膿のような鼻水が出ていたということですから、副鼻腔炎も重症化しつつあったと考えられます。

Hさんがほお骨押しを実践したところ、いきなり大量の鼻水が排泄されました。それをきっかけに状態が非常によくなり、すっかり回復できたといいます。

④ 鼻カイロ

鼻をポカポカ温めて、朝起き抜けの鼻づまり予防に

▶︎効果をもたらす疾患・症状 ➡ 慢性・急性の副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎(花粉症)など。

朝起き抜けの鼻づまりがひどいかたに。この症状が出る加齢性鼻炎にも勧められます。


▶︎どんな効果をもたらすか

鼻カイロは、鼻を温めることで、鼻腔内の血流を促します。朝起き抜けの鼻づまりは、夜間の血行不全によって生じています。鼻腔内の血流が促進されることで、鼻づまりが楽になります。

寝る前や入浴中に行えば、翌朝の鼻づまり予防効果だけではなく、快眠効果も期待できます。鼻がのどに垂れる後鼻漏のため、夜間のセキで眠れないというかたにもよいでしょう。やり方は、下記をご参照ください。


▶︎補足として

入浴中の鼻タオルもお勧めです。

湯ぶねにつかり、お湯でぬらしたハンドタオルを鼻の上にのせ、5分ほど温めます。温めながら、湯ぶねから立ち上る湯気を鼻で吸い込みます。入浴後、必ず鼻をかんでください

鼻カイロのやり方

用意するもの
◦ハンドタオル、もしくは、ミニタオル。
◦ジッパーつきポリ袋(電子レンジの場合)

やり方
❶ハンドタオル、またはミニタオルを、40~50℃のお湯につけて、軽く絞る。
または、ぬらしたタオルを絞り、ジッパーつきポリ袋に入れて、電子レンジで30秒~1分温める。
❷折りたたんだタオルを、鼻のつけ根(いちばんくぼんだ部分)から鼻の穴までを覆うようにのせ、鼻で呼吸する。
❸タオルが冷めたら、ゆっくり鼻をかむ。

▶︎体験例

鼻タオルと同じような、保温、保湿効果のある市販品を用いて、被験者30人のかたに鼻を温めてもらったところ、鼻づまりがよくなるなどの効果があったことが確かめられています。

おすすめの本

なお、本稿は『慢性副鼻腔炎を自分で治す』(マキノ出版)から一部を抜粋・加筆して掲載しています。詳細は下記のリンクよりご覧ください。

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