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【慢性上咽頭炎とは】そもそも上咽頭ってどこ?原因や治療法についてやさしく解説

【慢性上咽頭炎とは】そもそも上咽頭ってどこ?原因や治療法についてやさしく解説

上咽頭にはリンパ組織があり、たくさんの免疫細胞が待機しています。ここで侵入してきた病原体に応戦するのです。このため、もともと炎症の起こりやすい場所です。その炎症が慢性化した結果、慢性上咽頭炎となり、体に大きな悪影響を及ぼすようになります。【解説】北西剛(きたにし耳鼻咽喉科院長)

解説者のプロフィール

北西剛(きたにし・つよし)
きたにし耳鼻咽喉科院長。医学博士。1966年、大阪府守口市に生まれる。滋賀医科大学卒業後、病院勤務を経たのち、故郷の守口市で2005年にきたにし耳鼻咽喉科を開院。日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本気管食道科学会専門医。日本アーユルヴェーダ学会理事長。日本胎盤臨床医学会認定医・理事。日本統合医療学会認定医。日本ホメオパシー学会認定医。そのほか、森林セラピスト、野菜ソムリエ、阪神タイガースネット検定合格など、多彩な活動をしている。主な著書に『耳鼻咽喉科医だからわかる意外な病気、治せる病気』(現代書林)、『難聴・耳鳴り・めまい「治る」には理由(わけ)がある』(ルネッサンス・アイ)、『「うるうる粘膜」で寿命が延びる』(幻冬舎MC)などがある。
▼きたにし耳鼻咽喉科ホームページ

慢性上咽頭炎とは?

上咽頭は、鼻腔のいちばん突き当たり、のどのほうからいえば、のどのいちばん上に位置しています。

カゼやさまざまな要因がきっかけとなって、上咽頭に炎症が起こります。

上咽頭炎には、「急性」と「慢性」がありますが、炎症が3週間以上続いている場合が「慢性上咽頭炎と呼ばれています。

慢性上咽頭炎は、その炎症の影響で、鼻づまりや後鼻漏、のどの違和感などの症状が引き起こされるだけではなく、血管や神経系を介して、遠くの臓器や全身へと悪影響を及ぼすリスクがあります。

原因は?

上咽頭は、左右の鼻の穴から吸い込まれた空気が合流し、気道に向かって下りていく場所です。上咽頭にはリンパ組織があり、たくさんの免疫細胞が待機しています。ここで侵入してきた病原体に応戦するのです。

このため、上咽頭はもともと炎症の起こりやすい場所です。その炎症が、ストレスなどの影響を受けて慢性化した結果、慢性上咽頭炎となり、体に大きな悪影響を及ぼすようになります。

症状は?

鼻づまりは軽度。外に出る鼻水は少なめですが、後鼻漏に悩まされるかたが多く見られます。のどの奥の違和感や、のどの痛み、タンがからみやすい、声が出しにくい、耳の痛み、頭痛、頭重感、首のこり、肩こりなどの症状が出ます。

しかも、慢性上咽頭炎がやっかいなのは、上咽頭とは直接関連のない、離れた臓器にまで影響を及ぼす点です。それが、病巣感染という現象です。

病巣感染とは、ある部位で起こっている慢性炎症が、遠隔部の一見関連のなさそうな臓器にも飛び火し(炎症性物質が血管を介して移動し)、炎症を引き起こす現象です。

病巣感染の最も典型的な病気とされるのが、IgA腎症。ほかに、ネフローゼ症候群、掌蹠嚢疱症、乾癬、アトピー性皮膚炎などが知られています。

めまい、耳鳴り、睡眠障害などの自律神経の乱れからくる症状など、多くの症状・疾患が出ることもあります。

治療法は?

明らかに細菌感染があると考えられる場合は、抗生剤を投与します。

効果的な治療法として、EAT(Epipharyngeal abrasive therapy、上咽頭擦過治療の略)があります。これは、塩化亜鉛溶液を染み込ませた綿棒で、慢性炎症の起こっている上咽頭をこする療法です(実施している医療施設は、下記のサイトをご参照ください)。

『つらい不調が続いたら慢性上咽頭炎を治しなさい』(著:堀田修 あさ出版)特設サイト
http://special.asa21.com/special/eat/

上咽頭は口を開けても見えない部分にあるため、耳鼻咽喉科で内視鏡の検査を行わない限り、診断が困難です。しかも、慢性上咽頭炎になると、内視鏡で見ても、一見正常に見えることがあり、耳鼻咽喉科でも「異常ありません」と診断されてしまうことも多いのです。

こうしたケースでも、EATを行うと、上咽頭に慢性炎症があれば、痛みや出血が生じ、炎症の存在を確認することができます。

つまり、EATは、治療と同時に、この病気の検査も兼ねています。慢性炎症の度合いがひどいほど、EATを行ったとき、痛みや出血がふえるのです。EATをくり返し、炎症がよくなってくると、痛みや出血が少なくなってきます。

EATを行う北西先生(左)。上咽頭を綿棒で擦過する(右上)。綿棒は鼻の穴や口から入れる(右下)

セルフケアは?

鼻うがいが勧められます。

上咽頭という場所は、鼻の奥、のどの天井部分に位置しています。ですから、ただのうがいなどでは洗うことができません。しかし、鼻うがいであれば、うがいなどで洗えない上咽頭をも、洗浄することが可能になります。

鼻腔にたまっている細菌、ウイルスを洗い流す効果も、あわせて期待できます。

おすすめの本

なお、本稿は『慢性副鼻腔炎を自分で治す』(マキノ出版)から一部を抜粋・加筆して掲載しています。詳細は下記のリンクよりご覧ください。

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