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【めまいとは】ぐるぐるめまい・ふわふわめまい どちらが危険? 多くの原因は耳にある

【めまいとは】ぐるぐるめまい・ふわふわめまい どちらが危険? 多くの原因は耳にある

めまいの大半は大きな心配がいらないものです。しかし、重篤な病気が隠れている危険なめまいもあります。それが危険なめまいなのか、危険でないのか。めまいの現れ方である程度は推し量ることができます。【解説】坂田英明(埼玉医科大学客員教授・川越耳科学クリニック院長)

解説者のプロフィール

坂田英明(さかた・ひであき)
埼玉医科大学客員教授・川越耳科学クリニック院長。埼玉医科大学卒業後、帝京大学医学部附属病院耳鼻咽喉科助手を務める。ドイツ・マグデブルグ大学耳鼻咽喉科研究員、埼玉県立小児医療センター耳鼻咽喉科副部長、目白大学保健医療学部言語聴覚学科教授を経て、2016年より川越耳科学クリニック院長。『耳鳴りは1分でよくなる』(マキノ出版)など、著書多数。
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▼専門分野と研究論文

めまいの多くは心配いらない

めまい」とは、自分や周囲の物が動いていないのに、動いているように感じる、錯覚ないしは異常感覚を指します。

めまいの原因は、耳や脳、心臓の病気、頸椎(首の骨)の変形、動脈硬化など全身にわたります。また、ストレス、寝不足、毛染め、化学物質など、現代人の生活環境の中に、めまいの引き金となる要因もあります。

めまいの大半は、大きな心配がいらないものです。しかし、なかには脳出血や脳梗塞(脳の血管が詰まって起こる病気)など、生命にかかわる重篤な病気が隠れている、危険なめまいもあります。その場合は、ただちに専門医を受診し、治療を行う必要があります。

ある日、突然やってくるめまいに、落ち着いて対処するには、ふだんからめまいの知識を身に付けておくことが大切です。

めまいが起こったとき、それが危険なめまいなのか、危険でないのか。それは、めまいの現れ方で、ある程度は推し量ることができます。そこでまず、めまいのタイプからお話ししましょう。


めまいは大きく分けて、次の二つのタイプがあります。

1.回転性のめまい→大半は安心

自分や周囲の物が、グルグルと激しく回っているように見えるめまいです。激しい症状のため、立つ、歩くなどの動作が困難になったり、吐き気や耳鳴りが起こったりします。

いきなり目がグルグルと回り吐き気がすれば、不安になるでしょう。しかし、回転性のめまいのほとんどは、内耳に原因があって起こるもので、生命の危険はない、安心なめまいです。


2.浮動性のめまい→危険なケースもある

体がフワフワし、足元がフラフラして雲の上を歩いているように感じられるめまいです。両側の内耳の異常のほか、脳の病気でも起こります。

めまいに加え、激しい頭痛、手足のしびれやマヒ、ろれつが回らないなどの症状をともなう場合、脳の病気が疑われます。生命に関わる危険なめまいなので、脳神経外科や神経内科を至急受診してください。

回転性のめまいでも、同様の合併症状があれば、迷わず病院を受診しましょう。

原因の多くは耳にある

次に、めまいの原因は、大きく二つに分けられます。

1.耳からくるめまい

めまいの原因で、圧倒的に多いのは耳からくるものです。耳は聴覚をつかさどる感覚器ですが、もう一つ、体の平衡感覚(体のバランスを保つ機能)を保つという、大切な役割があります。

耳は、顔の外側から外耳、中耳、内耳の3つに区分される。内耳は、頭蓋骨の中にある。右図は、内耳の詳しい構造。

耳の奥の内耳には、蝸牛、前庭、耳石器、三半規管があります。蝸牛は鼓膜から伝わった音の振動を電気信号に変えて脳に伝える働きをしています。

前庭にある耳石器は、体の傾きや直線運動を感知する器官です。耳石器の中には、砂のような小さな結晶(耳石)が入っており、その動き方を感覚細胞がとらえて、体の傾きや直線的な動きを認識します。

三半規管は、頭や体の回転や、そのスピードを感知する器官です。三半規管の内部はリンパ液で満たされており、リンパ液の流れ方から、頭がどのような速さで、どの方向に動いたかという情報をとらえます。

三半規管と前庭がとらえた体の動きや傾きなどの情報は、前庭神経を介して小脳に集められます。大脳は小脳の情報を整理し、全身に体のバランスを保つよう指令を出します。

これら内耳の器官のどこかに障害が起こると、平衡感覚が乱され、めまいが起こります。代表的なものに、回転性のめまいが起こるメニエール病、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎などがあります。

2.脳からくるめまい

脳梗塞、脳出血、椎骨脳底動脈循環不全など、脳の障害が原因でめまいが起こります。回転性のめまいや、フワフワするめまいが主です。

耳が原因の主な病気
メニエール病(めまいや吐き気の発作がくり返し起こる病気で、一般的には耳鳴りや難聴を伴う)→ めまいの時間は3~5時間以内
良性発作性頭位めまい症 →めまいの時間は数分
前庭神経炎(前庭神経の炎症で起こる病気)→めまいの時間は数日以内
……など

脳が原因の主な病気
脳梗塞(脳の血管が詰まって起こる病気)
脳出血(脳の血管が破けて起こる病気)
椎骨脳底動脈循環不全(椎骨動脈と脳底動脈の血液が不足し、脳に十分な血液が運ばれず起こる病気)
……など

ストレートネックもめまいを引き起こす

また、首からくるめまいも見逃せません。

首の骨である頸椎の変形や老化が原因で、めまいが起こることがあります。脳に血液を送っている内頸動脈と椎骨動脈のうち、椎骨動脈は頸椎の中を通っています。

今、スマートフォンを長時間見るなどして、うつむき姿勢が続き、頸椎のカーブが失われた「ストレートネック」になっている人が増えています。

すると、頸椎内部の椎骨動脈が圧迫され、平衡感覚を保っている脳幹や小脳への血流が減少し、椎骨脳底動脈循環不全と呼ばれる、フワフワするめまいが起こるのです。

加齢などにより、椎骨動脈の動脈硬化が進行した場合も、同様のめまいを引き起こします。


めまいの発症には、耳や脳の病気のほか、生活習慣病やストレス、睡眠不足なども密接にかかわっています。そのため、生活習慣や食事を見直し、リスクファクターを減らして、めまいを改善することが大切です。

めまいの良医は問診を大切にする

もし、急にめまいが起こったら、次のように対処します。

①めまいがしない姿勢をとる
②衣服をゆるめる
③目は閉じないで一点を見る
④治療中の人は、吐き気止めなどの頓服を服用する
⑤風通しのいいところで休む

軽いめまいでも、念のため病院で検査、治療を受けておけば安心でしょう。

その場合、総合病院を受診すると、症状から適切な診療科がわかります。脳神経外科では、MRI(磁気共鳴画像)やCT(コンピュータ断層撮影)などの機器で脳の病気の有無を、内科では血圧や心電図などで心臓病の有無をみます。

これらの検査で脳などに異常がなければ、耳鼻咽喉科を受診することになりますが、耳鼻科医だからといって、めまいのエキスパートとはかぎりません。

めまいの専門医がいる「めまい外来」か、日本めまい平衡医学会が認定した、「めまい相談医」のいる耳鼻咽喉科を受診するとよいでしょう(めまいの相談医リスト:http://www.memai.jp 日本めまい平衡医学会)。


良医を選ぶ最大のポイントは、「問診を大事にしているかどうか」です。

めまいの発症には、生活環境や社会的な要因、過去の病気、ケガなどが複雑にからんでいます。めまいの原因を突き止めるために、丁寧な問診を行う医師を選びましょう。

診察の際、症状について詳しく伝えると、診断と治療に役立ちます。下の表の項目を参考に、メモを用意して行くことをお勧めします。

受診のポイント

◎どこで受診?
 耳鼻咽喉科あるいは総合病院
◎めまいの専門医は?
 めまい相談医(日本めまい平衡医学会が認定する)、または「めまい外来」のある医療機関にも専門医がいる
◎どんな医師が良医?
 最大のポイントは、「問診を大事にしているかどうか」。的確に症状を伝えるため、受診時には下の項目をメモして持参するとよいでしょう。
①何時頃、起きたか
②どのような姿勢で起きたか
③どのようなめまいだったか
④どれくらい続いたか
⑤めまい以外の症状

おすすめの本

めまい・メニエール病を自力で治す最強事典 (23人の医師、専門家が教える特効療法)

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